活動報告

芦屋市、京都市現地視察(2011年11月)について

2011年度冬学期開講科目である「事例研究(都市地域政策と社会資本ファイナンス)」において、 11月5日から6日までの日程で、芦屋市、京都市の現地視察および関係者ヒアリングを行いました。

参加したのは、本科目を受講する学生のうち、景観班3名と、住宅班2名、高速道路の料金制度を研究テーマとする1名の学生計6人に、担当教員ら5名です。

11月5日はあいにくの天気の中、兵庫県県土整備部住宅建築局長松本啓朗氏、芦屋市都市計画課主幹(まちづくり・開発指導担当課長)東実氏をはじめとする皆様に、六麓荘をはじめ市内の建築協定、地区協定などの取り組みに関連する地域、建築物などをご案内いただきました。

六麓荘町においては、六麓荘倶楽部の会議室にて、町内会長坂本武文氏、副会長矢島秀男氏より、町の成り立ちから、良好な景観を維持していくための仕組みなどに関してご説明いただきました。 特に、世代の移りかわりや住民の入れ替わりにより、地域に住まう人々すべてが必ずしも価値観を共有しているわけではないという状況の中で、景観を保ち、改善していくための工夫、仕掛けは示唆に富むものでした。

6日は土曜日にもかかわらず、京都市役所内の会議室において、京都市都市計画局長(景観創生監)寺田敏紀氏、都市計画局都市景観部長高谷基彦氏、都市景観部景観政策課長黒木省二氏より京都市の取り組みについてご説明いただきました。

その後、御池通(特別用途地区,高さ規制の強化等)から姉小路通、三条通、新風館(近代建築物のコンバージョン事例)、烏丸通、四条通、膏薬図子(地域コミュニティのまちづくり事例)、杉本家(京町家の重要文化財第1号)、綾小路通、新町通、船鉾町会所(京町家まちづくりファンドの活用事例)、新町通綾小路などを実際に見てまわりました。

昼食後は、6月1日の講義で京町家についてご講演いただいた、NPO京町家再生研究会理事小島冨佐江氏の自宅を訪ねました。小島邸は京都市の景観重要建築物に指定されている町家です。「うなぎの寝床」と称される奥行きの深い住居で、その構造上の特徴や維持修繕の費用や補助金などの使い勝手などについてお話いただきました。

つづいて、ワールド・モニュメント財団の支援による町家改修事例である釜座町町家(ちょういえ)を見学した後、祇園新橋(伝統的建造物群保存地区)に移動し、歴史的景観保全修景地区制度を活用した建造物の修理修景助成、無電柱化や道路の美装化などにより整備された町並みを見学し、解散となりました。

良好な景観に価値があること、それを個人ベースで改善、維持していくことは大変困難であることにあまり異論はないでしょう。そのための公的な仕組みが整備されてきていますが、その費用に見合った便益が得られているのかどうか、その効果の測定、分析が今後ますます求められます。

今回の視察で得た知見を学生諸君が大いに活用してくれることを期待しています。

(特任助教 来間玲二)