「公共空間の再生を通じた東京のプレミアム化 ─世界都市の条件」

東京大学公共政策大学院特任教授
辻田昌弘

山﨑朗・鍋山徹編著『地域創生のプレミアム(付加価値)戦略 ─稼ぐ力で上質なマーケットをつくり出す』(2018年中央経済社刊)所収。

【要旨】

 東京の国際競争力を高めてアジア随一の世界都市とすることを目的とした国家戦略特区制度の後押しを受け、現在東京都心部では多数の都市再生プロジェクトが進行中です。しかし、ビジネスインフラを整備するだけでは、シンガポールや香港などのライバル都市に打ち勝つには十分ではありません。

 むしろ着目すべきは、東京というまちが持つ界隈性やウォーカビリティといった魅力です。そして、こうした魅力を高める上で鍵を握るのが、これまで十分に活用されてこなかった公園・道路・河川敷といった公共空間なのです。

 公共空間の活性化に市民や民間事業者が取り組むことを通じて、まず私たち自身が東京というまちを好きになること…それが結果として、東京のプレミアム価値を高めることにつながるのです。